2017-05

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二十歳の原点



私は二十歳×2…

言わずと知れた大昔のベストセラー紀実小説、というか日記。
高野悦子さんが日々認めたものが編纂され綴られています。

全部で3部作となっていますが、
市町村合併の恩恵で近くの図書館でも借りられるようになりました。

「二十歳の原点」
「二十歳の原点序章」
「二十歳の原点ノート」

と発行年数が過ぎる程、若年時の日記になっています。

20090830002.jpg

因みに「二十歳」は「にじゅっさい」と読みます。

数年前に「二十歳の原点」を読んで感銘を受けましたが、
その前の日記は初めて。

もちろん時間経過どおりの原点ノートからですが、
14歳の高野悦子さんに今40歳の私が教えられることが
たくさんあるのに驚かされます。

私も同じ年代の娘がいますが、
この本でその揺れる心情を少しでも理解できたらなとは思いますが、
あれだけ前向きで可憐な少女がどうして最後はあのように…

時代背景(学生運動など)やイデオロギー、
社会や周りに対する嫌悪、失望、裏切り、
また悪い意味での執拗な真面目さ、
大人びた思想や言動で心身を攪拌させようとしますが、
結局は実質的な幼さに勝てなかったのかもしれません。

ま、それが二十歳なんですが。原点なんですよ。

最後はもうどうしようもなくイッてしまっている日記になりますが、
本当にイッてしまった後の詩が唐突として異質なものに感じられるほど、
また読者に平気で鉈を振り下ろすようなインパクトで現れてきます。

<原文を読もうという方はスルーしてください>

旅に出よう
テントとシュラフの入ったザックをしょい
ポケットには一箱の煙草と笛をもち
旅に出よう

出発の日は雨が良い
霧のようにやわらかい春の雨の日がよい
萌え出でた若芽がしっとりとぬれながら

そして富士の山にあるという
原始林の中にゆこう
ゆっくりとあせることなく

大きな杉の古木にきたら
一層暗いその根本に腰をおろして休もう
そして独占の機械工場で作られた一箱の煙草を取り出して
暗い古樹の下で一本の煙草を喫おう

近代社会の臭いのする その煙を
古木よ おまえは何と感じるか

原始林の中にあるという湖をさがそう
そしてその岸辺にたたずんで
一本の煙草を喫おう
煙をすべて吐き出して
ザックのかたわらで静かに休もう

原始林の暗やみが包みこむ頃になったら
湖に小舟をうかべよう

衣服を脱ぎすて
すべらかな肌をやみにつつみ
左手に笛をもって
湖の水面を暗やみの中に漂いながら
笛をふこう

小舟の幽かなるうつろいのさざめきの中
中天より涼風を肌に流させながら
静かに眠ろう

そしてただ笛を深い湖底に沈ませよう


本当に本人が書いたかという真相は定かではないですが、
編纂にあたり、知識人であった父の存在が
見え隠れしていないでもないですが、
この詩は同時代に多大な影響を与えたことでしょう。
(荒井由実さんの世界観にもか?)

これから一気読みしたいと思います。

もし今、人生に本質的な享楽を感じられない人は是非。

二十歳という成年と未成年の狭間の悲劇、
その危うさが魅力でもあるのですが
大人であればこの心情には流されないと思います。



コメント

不覚にも、wikiで3作品のあらすじを読んでしまった、、、(だめじゃん)
自分の既知の範疇では「山田かまち」を連想しました。
でも、こちらは「アチラ方面」のかなり踏み込んだ記述があるみたいですな。日記だけに。
高野悦子さん、利発さに物を言わせて、自我との対話をガリガリやってるうちに、
自意識が怪物になってしまったのかな、とか考えてしまいます。
私は今はちょっと読めないかも。

最期の結果がどうであれ、
どの時代のどの世代も藻掻きながら生きてきた人がいたということ。

一つの尖がった青年の主張からの悲劇としてとらえ、
自らも省みて幸せの探求を考えてみても良いんだと思いますよ。

しかし、この詩でどれだけの人が原始林のあの場に足を向けたのでしょうか?

でも何度読み返しても、どうしても詩の美しさを通り越した恐怖が心の中を支配します(主観的かも知れませんが…)
その恐怖がどれだけ自らの命を絶つという愚行をおしとどめたのか?

そこにこの詩の存在理由があるんですよ。心を強く持つことです。

悦子さんのお父さんが本の最後に載せたのはきっとそのことを伝えたかったのではないかな?とそう思うわけです。


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